近未来のシアトル、雨音が響く深夜の喫茶店「コーヒートーク」で展開される温かな物語の続編『コーヒートーク2』。
本記事ではNintendo Switch版の魅力を徹底解説します。
前作をプレイしていない方にも、Switch携帯モードでの楽しみ方まで、この癒やし系カフェシミュレーションの全てをお届けします。
なお、現在PS+のゲームカタログに入っており、エクストラ以上の方であれば追加料金なしでプレイが可能です。PS +の詳細はこちら
1. ゲーム概要:異種族が集う深夜の喫茶店
『コーヒートーク2』は、深夜営業のカフェでバリスタとなり、多様な客の悩みに耳を傾けながら飲み物を提供するビジュアルノベル形式のゲームです。

基本情報:
発売日: 2023年4月20日
価格: ダウンロード版1,980円(税込)、パッケージ版3,278円(税込)
ジャンル: ビジュアルノベル/カフェシミュレーション
プレイ人数: 1人
プレイ時間: 1周約6〜8時間(複数周回推奨)
対応言語: 日本語、英語、中国語、韓国語他
このゲームの最大の特徴は「聞き手」に徹するゲーム性です。プレイヤーはストーリーに直接介入せず、客の会話を聞きながら適切な飲み物を提供することで間接的に物語に関与します。一般的なADVのような選択肢がなく、代わりに「どんな飲み物を出すか」という要素で物語が分岐する独自のシステムが特徴です。
2. 物語の舞台と登場キャラクター
舞台設定
舞台となるのは2023年9月の「もうひとつのシアトル」。人間だけでなく、エルフやオーク、吸血鬼、さらには異星からの来訪者までもが共存する多種族社会です。物語は常に喫茶店「コーヒートーク」の店内で展開され、窓の外では雨が絶え間なく降り続けています。
登場キャラクター
『コーヒートーク2』には、10人以上の個性的なキャラクターが登場します
新規キャラクター: SNSとの付き合い方が対照的な若者たち、異星からの訪問者など

前作からの常連客: 恋に悩むエルフとオーク、小説家志望の人魚、ゲーム開発者の吸血鬼など

彼らはファンタジー種族でありながら、キャリアの悩み、恋愛問題、偏見による差別など、現代社会を反映した等身大の問題を抱えています。
こうした設定が、ファンタジー要素を通して現実社会の問題を投影する寓話的な魅力を生み出しています。
3. 『コーヒートーク2』の新要素とシステム
前作から引き継がれた基本システムに加え、『コーヒートーク2』では以下の新要素が追加されました
新たな飲み物素材
基本的なエスプレッソやミルク、ココアなどに加え、今作では新素材が2種類追加:
ハイビスカス(赤): 鮮やかな紅色の飲み物の材料

バタフライピー(青): 澄んだ青色の飲み物の材料

これらの新素材により、提供できる飲み物のバリエーションが大幅に増加。鮮やかな色合いの新レシピが多数登場し、視覚的な楽しさも増しています。
「預かり物」システム
今作の大きな新要素が「預かり物」システムです

客から様々なアイテムを預かる
インベントリに保管
別の客にそのアイテムを渡すか選択
選択次第で物語が変化
バリスタとしての「仲介役」の役割が増し、物語への関与度が高まった新機能です。預かったアイテムをどの客に渡すか、または渡さないかの選択によって、物語の展開が大きく変わります。
ゲーム内SNS「トモダチ!!」
現代社会を反映した新機能として、ゲーム内SNSアプリ「トモダチ!!」が登場

登場人物のSNS投稿(ストーリーズ)を閲覧可能
店内での会話とSNS上での発言の違いが見られる
現代のSNS社会における人間関係の複雑さを映し出す
トモダチ!!を通して垣間見る客たちの別の一面が、物語に新たな奥行きを与えています。
特に、SNSとの付き合い方が対照的な若者たちの葛藤は、現代社会を映す鏡として機能しています。
4. 前作からの進化ポイント
『コーヒートーク2』は前作の基本システムと雰囲気を継承しつつ、以下の点で進化しています
ストーリー分岐の複雑化
より多くの分岐: 提供する飲み物と預かり物の扱いにより、前作以上に物語分岐が複雑化
マルチエンディング: 選択によって変化する結末の数が増加
隠し会話: 特定条件下でのみ見られる会話イベントが多数追加

音楽とビジュアルの充実
新規BGM: 20曲以上のローファイ系ジャズ/ヒップホップトラックが追加
洗練されたドット絵: 前作よりも表現力が増したキャラクターイラストとアニメーション
ラテアート: ミルクで模様を描く機能がさらに洗練
物語の深化
前作キャラクターの続編要素: 常連客の物語が継続して描かれる
社会テーマの追加: SNSと現代社会の問題など、より幅広いテーマ性
伏線の増加: 複数回プレイすることで見えてくる物語の裏側

5. Nintendo Switch版の特徴
『コーヒートーク2』のNintendo Switch版には、他機種版にはない独自の特徴があります
タッチスクリーン操作
携帯モードでのプレイ時に、以下の操作をタッチスクリーンで直感的に行うことができます
飲み物の材料選択
ラテアートでのミルク注入
トモダチル(SNS)の操作
預かり物の管理
特にラテアートでは、指でなぞって模様を描く操作感が実際のバリスタ体験に近く、没入感を高めています。
携帯モードでの没入感
どこでもプレイ: ベッドに横になりながら、実際にカフェにいるような雰囲気で楽しめる
ヘッドホン推奨: 携帯モードでヘッドホンを使用すると、雨音とLo-Fi BGMによる没入感が増す
おやすみ前プレイ: リラックスした雰囲気のため、就寝前の「おやすみゲーム」として最適
パッケージ版の特典
パッケージ版(3,278円)には以下の特典が含まれています
オリジナルサウンドトラックCD(厳選12曲)
アートブック(32ページ)
レシピカード(ゲーム内の代表的な飲み物レシピ)
6. プレイ体験と魅力
『コーヒートーク2』の魅力は、派手な展開はないものの、じっくりと味わえる物語体験にあります
心に響く会話とストーリー
異種族という設定を通して描かれる等身大の人間ドラマ
キャラクターたちのリアルな悩みと成長
「聞き手」に徹するからこそ感じられる物語への没入感
ゲームの中心となるのは会話です。派手なアクションはなくとも、キャラクターたちの悩みが次第に明らかになり、問題に立ち向かう姿が丁寧に描かれることで、プレイヤーはいつの間にか物語に引き込まれていきます。
癒やされる雰囲気づくり
ドット絵による味わい深い視覚表現
ローファイヒップホップ/ジャズのBGM
窓の外に降り続ける雨音
視覚と聴覚の両面から、リラックスできる雰囲気づくりが徹底されています。特に音楽は評価が高く、20曲以上の新規トラックが追加され、カフェで過ごす時間を豊かに彩ります。
間接的な物語介入と多様なエンディング
提供する飲み物の選択
預かり物の扱い
両要素の組み合わせによる複雑な分岐
直接的な会話選択肢はなくとも、バリスタとしての行動が物語に影響を与えるシステムは独創的です。「正解」はなく、様々な選択によって多様なエンディングを迎えることができます。
7. 総評:誰におすすめか?
『コーヒートーク2』は以下のような方におすすめです
ストーリー重視のゲームを好む方: 会話と物語を楽しみたい方
リラックスできるゲームを求める方: 派手なアクションの少ない、癒やし系ゲームを探している方
前作『コーヒートーク』のファン: 前作からの進化とキャラクターの続きが楽しめる
カフェ雰囲気が好きな方: 実際のカフェ体験を疑似体験したい方
多様性をテーマにした物語に興味がある方: 種族間の共存や偏見、現代社会問題を考えたい方
一方、以下のような方には向いていない可能性があります
派手なアクションやテンポの早い展開を好む方
直接的なゲームプレイの介入を重視する方
常に新しい場所や景色を見たい方(舞台は常に喫茶店内)
まとめ:心温まる夜の喫茶店での時間
『コーヒートーク2』は、ファンタジー種族の設定を通して現代社会を映し出す優れたストーリーテリングと、独自の間接的なゲームプレイが魅力の作品です。Nintendo Switch版では特にタッチスクリーンを活かした直感的な操作が可能で、場所を選ばずカフェ体験を楽しめます。
前作をプレイしていなくても十分に楽しめる内容ですが、前作からのキャラクターの成長も描かれるため、続けてプレイするとより深い感動が得られるでしょう。雨が降る夜、温かい飲み物を片手に、多様な客たちの物語に耳を傾ける——そんな特別な時間を提供してくれる作品です。
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