作品のタイトルが「7days to end with you」
このタイトルも何か意味深ですよね?
和訳は、君と過ごす最後の7日間。
このタイトルが気になり、手に取ってみることにしました。
落ち着くような、でも切なさの感じるメロディラインが流れつつ
ゲームは始まります
プレイヤー=主人公で1人称視点でゲームが進行していきます。
主人公は言葉も、記憶も失っており、今どこにいて、自分が一体何者かもわかりません。
わかっていることは・・・
自分の体調はあまり良くないことと
目の前に見知らぬ女性がいつも一緒にいること。
その彼女の名前もわからないし、何を話しているのかもわかりません。
その彼女はいつもそばにいてくれて、目に見えるものを教えてくれようとします。
もちろん記憶がないし、言語もわからない状況なので、頭に浮かぶのは記号のようなものの羅列ばかり。
カーソルを調べたいものに合わせると彼女が教えてくれます。
正直、最初は何もよくわからないです。
ただ本棚を調べていくと、それぞれ共通してくる記号の羅列が出てきます。
これは「本」なのかな?と推測したり。
デスクの上に置かれた天秤のようなものがあったらどのように表現するでしょう?
色々なものを見て、感じたものを、記号の羅列には好きなように推測したワードを入力することが可能です。
こちらでは、過去に出会った、その記号の羅列を振り返ることができるので、推測がしやすくなっています。
当たっているかもしれないし、間違っているかもしれない。
正解なんてないのかもしれない、だからこそ直感に従って自分の好きなように、記号の羅列に言葉の意味をあてていきます。
こういった記号の羅列は調べたり、女性の話す言葉などにも共通してくることが多いので、その度に微調整して推測したりしていきます。
こういったことを連続で続けていきます。
キッチンに行き、お皿やコップなどを調べていくと、また共通した記号が出てきます。
これは容器?食べ物?飲み物?
わからないながらも推測して記号の羅列のリストに入れていきます。
あなただったら
コップを2つのワードで何と表現しますか?
時計は3つのワードで何と表現しますか?
言葉もわからない相手に
暖炉を3つのワードで何と伝えますか?
中には振り返ることで、この推測ワードは不自然だなと気づことが多くあると思います。
少なくとも私はかなり多くありました。
それを一つずつ自分なりに修正作業を何度も手探りながらも続けていきます。
今挙げたように、ヒントは何も共通する記号だけでなく、
例えば、彼女に触れたりすることで
照れたりする仕草や表情
手探りで料理を作り、明らかに失敗な感じでも、感謝してくれているような笑顔
寝ようとした時に
寂しそうな表情をしながら、何かを告げ、その後すぐに謝るような素振りをみせ
おやすみのような挨拶をしたり
外に出ようとすると警告するように制止する行動や言動
急に大きな声を出したので、それを謝るようなジェスチャーなど
明確ではないけど、微かに、でもなんとなく伝わってくる思いや感情。
そこから滲み出る顔の表情や手の仕草もヒントになってきます。
そして寝床につくことで、毎日夢を見て
そして目覚めます。
そこでは過去の自分の状況や感情が描き出され、
そこから吐き出そうとする言葉やフレーズが大きなヒントになります。
これは大きなキーワードであり、今まではよくわからなかったものも、それをヒントに分かってくるようになります。
それに派生して連鎖的に他の記号も少しずつ、なんとなくのニュアンスがつかめてきます。
このようにして、徐々に分からなかったものが、確信はないけど、当たっているだろうとパズルが解けていく瞬間は
少し快感を得られるのではないかと思います。
こういったものって、生まれたばかりの子供や、新しい言語の習得にチャンレンジしている方々と境遇は同じなのかなと感じました。
ただ、寝床に入り
Day1
Day2
Day3・・・と日を追うごとに身体の重さや怠さなど体調の悪化が見るようにして分かっていきます。
タイトルにあるように、そういった意味での最後なのか?
なぜ自分はこのような状況なのか?
この女性は誰なのか?
この女性と自分はどういう関係なのか?
この女性はなんで泣いているのか?
明らかな失敗も喜んでくれたり
朝起きてから寝るまで、つきっきりで心配してくれている彼女は、なぜそうまでしてくれるのか?
自分の認識している言語や感情によって、見えてくる映像は、変わってくるのだと思います。
物語を進行していくことでイベントが発生し、目の前の彼女が問いかけます
その返答はプレイヤーに任され、どのように選択して表現しても自由ですが、うまく言葉を返せた時、彼女は違った反応を見せます。
残念がることもあれば
泣きながら喜んでくれることも・・・・。
このように私たちの行動や選択肢によって話の流れがほんの少し変わります。
どう見て、どう感じて、どういうエンディングを迎えるのか、
これはきっと人によって少し異なってくるのではないかと思います。
このゲームを終えて、最後に湧き出てくる感情こそがきっと本物だと思います。
短くあっさりに感じる方もいらっしゃるでしょうし、
何度もやり直し、修正して、真実に辿り着いたとき
とても長く切ない感情を抱く7日間を感じることもあるでしょう
決してプレイ時間の長いゲームではないですし、オープンワールドの壮大さやサブクエストなどの寄り道要素もありません。
他のトリプルA級タイトルのような美麗な映像もありません。
ただこのゲームはそれらにはない、魅力がとても沢山詰まっていると思います。
視覚的な刺激ではなく、
脳を直接働かせ、そこから導き出される結論で、
感情が揺さぶられる
少し切なさの雰囲気を感じるメロディが、それに乗っかり
さらに
メンタルに訴えかけてくるような
何かを感じるのではないかと思います。
1週目では見つけられなかったものを見つけ、
驚愕の真実に触れた時はかなり衝撃的でした。
真実を知らずに終わった時と、知ったときとでは当然感じ方は違うわけで・・・。
ネタバレを防止するために抽象的なことしか言えませんが、とても良い作品であると思います。
登場人物はあなたと目の前の女性しかいない、シンプルな世界で
思い出のもの、言葉、感情が紡ぎ出すストーリーが美しいメロディにのせて、色々なことを感じさせてくれます。
本当の「愛」。罪と罰。そして希望。
このゲームをクリアして、あなたはどう感じるでしょうか。
誰かのプレイ動画を見て終わるのは、とても勿体のない作品です。
是非、手に取ってあなた自身の目で確かめてみてください。
本当に心から、オススメできる素晴らしい作品です。
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