はじめに:究極の選択を迫られるあなたへ
『Clair Obscur: Expedition 33』をプレイしていると、物語の終盤で重大な選択を迫られます。
主人公の一人であるヴェルソとして戦うか、それとも妹のマエル(本名アリシア)として戦うか—この二択があなたの心を揺さぶったのではないでしょうか?
本作のタイトル『Clair Obscur』(クレア・オブスキュア、明暗の意)が示すように、この物語には完全な救済はどこにも存在しません。どちらの選択にも光と影が織りなされており、絶対的な「正解」は存在しないのです。
この記事では、『Clair Obscur: Expedition 33』のエンディング分岐について、ネタバレ全開で深掘りします。クリア済みの方が、自らの選択を振り返り、物語のテーマについて改めて考えるきっかけになれば幸いです。
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よろしければ、Expedition33のサウンドトラックを聴きながら、本記事をお楽しみください
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なお私は英語版でプレイしていたために、日本語の翻訳が一部誤った表記になっているかもしれません。特に名前とかがかなり怪しいです。Lune(ルーン)がルネとか。随時修正していきます
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運命が分かれる:二つのエンディングへの道
物語の終盤、ついに父ルノワールを倒したヴェルソとマエル。
しかし、二人は「キャンバス」をどうするかで大ゲンカになってしまいます。
キャンバスって何?
それは、亡くなった画家のヴェルソ(兄)が残した不思議な絵の世界のことです。
兄ヴェルソ(キャンバスの中にいる方)は、この嘘の世界を終わらせて、閉じ込められた魂を解放したいと考えています。
しかし妹のマエルは、現実が辛すぎるから、この世界で愛する人たちと一緒に生きていきたいと考えます。
この難しい選択が、二つの全く違うエンディングへとつながります:
✅ ヴェルソルート:「愛するための人生」
✅ マエルルート:「描くための人生」
【ヴェルソルート:現実と向き合う道】
◆「愛するための人生」って、どんなエンディング?
プレイヤーがヴェルソとして戦って、マエルに勝つと「愛するための人生」エンディングになります。
負けたマエルは倒れて、消えていきます(ゴマージュといいます)。 ヴェルソは彼女を抱きしめて、こう言います。 「現実で絵描きとして辛い人生を送る必要なんてないんだよ」
そのあと、仲間たちも次々と消えていきます。 モノコ、エスキエ、シエル、ルネ……みんな、さよならです。
最後に、ヴェルソは「絵描きの少年」(現実のヴェルソの魂の一部)の手を取って、一緒に消えていきます。
エピローグでは、デサンドル家の人たちがヴェルソのお墓の前に集まって、悲しみを分かち合います。 アリシアも、少しずつ過去を受け入れられそうな様子を見せてくれます。
◆ヴェルソが払った「犠牲」って?
このルートの犠牲はかなり大きいです。
キャンバスの世界とそこに住む人たち全部が消えてしまいます。
マエルの「キャンバスで生きたい」という願いも、かなえられません。
「絵描きの少年」として永遠に絵を描き続ける運命だった現実のヴェルソの魂も、ようやく解放されます。
ヴェルソの決断は、家族に心の安らぎをもたらします。
でも見方を変えれば、キャンバスの住人たちの存在やマエルの願いを「無理やり」奪ったとも言えます。
このエンディングは「グッドエンディング」と呼ばれることが多いです。
でも、その「いいこと」は、キャンバス世界が完全に消えるという大きな犠牲の上に成り立っているんです。
◆ヴェルソはなぜこの道を選んだの?
ヴェルソの心の中には、こんな強い思いがあります:
✅ キャンバスは「嘘」の上にできている
✅ この世界があるせいで、家族が悲しみを乗り越えられない
✅ 本当の癒しは、現実でしか手に入らない
彼の選択は「失ったものを受け入れて、前に進む」というテーマそのものです。 マエル(アリシア)が本当に心を癒すには、現実と向き合うしかないと信じているんです。
【マエルルート:思い出を守る道】
◆「描くための人生」って、どんなエンディング?
プレイヤーがマエルとして戦って、ヴェルソに勝つと「描くための人生」エンディングになります。
負けたヴェルソは「こんな人生、望んでない!」と叫びながら消えていきます。
その後、マエルは絵描きの力を使って、ルミエールの街を作り直します。
失った仲間たちも復活させます。
ピアニストとして生まれ変わったヴェルソも、演奏を披露しようとしています。
でも、マエルの目には絵の具がついてしまっています。
母親のアリーンと同じ状態になってしまったんです。
全体的に不穏な雰囲気が漂っていて、マエル自身も完全に満足していないようです。
このエンディングは「バッドエンディング」と解釈されることが多いですね。
◆マエルが払った「犠牲」って?
このルートの犠牲は、マエル自身の現実世界での未来です。
彼女はキャンバスの世界に「深く沈んで」しまい、健康も正常な心も失っていきます。
描かれたヴェルソは、解放されたいという願いを無視されて、望まない存在を強いられます。
キャンバスの住人たちも、本当に自分の意志で生きているのか疑問です。
マエルのエンディングは、痛みから逃げるために世界をコントロールしようとする試みです。
でも結局、別の種類の苦しみを生み出してしまいます。
彼女の選択は、他の人の自由よりも自分の感情を優先する、ちょっと独裁的な行為とも言えるかもしれません。
◆マエルはなぜこの道を選んだの?
マエルの心の中には、こんな願いがあります:
✅ 亡くなった兄のギュスターヴやヴェルソと一緒にいたい
✅ 現実世界の苦しみから逃げたい
✅ 奪われた人生を取り戻したい
彼女は心の傷のせいで、現実世界では「もう話せず、ひどい傷跡が残っている」状態です。 こんな肉体的・精神的な傷があると、理想的な絵の世界の魅力に抗えないのも分かる気がします。
【誰かが必ず犠牲になる物語】
『Clair Obscur: Expedition 33』の終盤の選択は、どっちを選んでも必ず誰かが犠牲になります。 この避けられない犠牲こそが、物語の悲劇的な核心です。
タイトルの「Clair Obscur(明暗)」のテーマとぴったり合っています。
◆ヴェルソルートの犠牲
- キャンバスの世界全体と住人たち
- マエルの「キャンバスで生きたい」という願い
- 「絵描きの少年」の永遠の労働(解放という形の犠牲)
◆マエルルートの犠牲
- マエルの現実世界での自分(健康・正常な心)
- ヴェルソの「解放されたい」という願い
- キャンバスの住人たちの自由意志
- デサンドル家が現実で心の傷を癒すチャンス
プレイヤーは、どっちの犠牲がより受け入れやすいか、どの理想を妥協できるかを選ばなければなりません。
【家族・芸術・喪失と再生:深いテーマが織りなす物語】
『Clair Obscur: Expedition 33』は、いくつもの深いテーマを扱っています。
家族の絆、芸術の力と危うさ、そして喪失から立ち直ること。
デサンドル家の物語が、これらのテーマの中心になっています。
物語の核心は、デサンドル家が抱える悲劇と葛藤です。
息子ヴェルソの死をきっかけに、家族みんなの運命が狂い始めます。
そしてキャンバスの世界を巡るドラマへと発展していきます。
デサンドル家の悲劇は、芸術(絵画、キャンバス)が聖なる場所でもあり、牢獄にもなるということを表しています。
彼らの「ペインター」としての力は、悲しみを表現する手段です。
でも同時に、その悲しみを固定化して、より深めてしまう道具にもなります。
【タイトル『Clair Obscur』に込められた意味】
『Clair Obscur』(明暗)というタイトルは、この作品の芸術的・テーマ的な核心を表しています。
フランス語で「明暗」を意味するこの言葉は、ルネサンス時代からの芸術技法「キアロスクーロ」を指します。 光と影のコントラストで、深みと感情的な強さを生み出す技法です。

どちらのエンディングも、純粋な「光」(幸福、救済)だけ、あるいは純粋な「影」(絶望、破滅)だけが訪れることはありません。
◆両方のエンディングが持つ光と影
ヴェルソのエンディング:
- 光:家族の癒し、悲しみの受け入れ、アリシアの精神的な自由
- 影:一つの世界の破壊、住人たちの犠牲
マエルのエンディング:
- 光:愛する人たちとの再会、マエルの一時的な幸せ
- 影:マエル自身の衰弱、ヴェルソの強制された存在、悲しみの連鎖
このテーマは登場人物たちの内面にも反映されています。 みんな「光」(愛や善意)と「影」(悲しみや利己主義)の両面を持っています。 エンディングは、その葛藤の結果と考えられます。
【プレイヤーの視点:あなたの価値観を映す選択】
『Clair Obscur: Expedition 33』のエンディング選択は、プレイヤーを「ヴェルソ派」と「マエル派」に分けます。
それぞれに正当な理由があるので、熱い議論が生まれると思います。
みなさんの意見は色々あるでしょうが、それぞれの哲学的な背景があります:
ヴェルソ派:現実主義、真実と向き合うこと、長期的な癒し、喪失を受け入れることを大切にする
マエル派:理想主義、個人の幸せ、命の尊さ、思い出と愛を守ることを大切にする
これらの意見の対立は、プレイヤー自身の価値観を映し出す鏡になっています。
物語はどちらが「正しい」かを明確にはしません。 プレイヤーに判断を任せた形をとっています。
【まとめ:あなた自身の選択を振り返ってみよう】
『Clair Obscur: Expedition 33』が提示する選択に、絶対的な「正解」はありません。
ヴェルソの道もマエルの道も、それぞれに深い意味があります。
どちらが「正しい」かは、プレイヤーが何を一番大切だと思うかによって変わります。
✅ ヴェルソを選ぶこと:未来の癒しのために、厳しい現実を受け入れる道
✅ マエルを選ぶこと:作られた聖域の中で、大切な瞬間と命を守る道
この記事を読んだみなさんには、ぜひ自分の選択を振り返ってほしいと思います。
なぜその道を選んだんでしょう?
どちらのキャラクターに共感しましたか?
どちらの犠牲がより意味があると感じましたか?
この作品が本当にすごいのは、「家族・芸術・喪失と再生」というテーマを通じて、深い思考と感情を引き出すところです。
どちらのエンディングを選んでも、そこには必ず光と影があります。
でも、その葛藤と選択の過程こそが、『Clair Obscur: Expedition 33』がプレイヤーに与える最高の贈り物なんです。
ゲームの「意味」は、どちらかのエンディングにあるわけではありません。
プレイヤー自身がその選択と向き合う内なる旅の中にあるんです。
あなたの選んだ道は、あなた自身の何を映し出していましたか?
物語が終わってもなお続くその問いかけこそが、『Clair Obscur: Expedition 33』の忘れられない魅力なんです。
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この記事はClair Obscur: Expedition 33をプレイした体験に基づいています。物語の解釈や考察は筆者個人の見解であり、異なる解釈の可能性も大いにあります。ぜひコメント欄で皆さんの選択や感想をシェアしていただければ嬉しいです。


コメント
ヴェルソ育ててなかったのでヴェルソルートをやり直しできず、
こちらで知ることができました。
ありがとうございます。
マエルエンドですが、私は自分が見たいものだけ見るような生き方への開発からの警鐘と感じました。
マエルは現実世界では何もできず、ありのまま好きに生きられる、自分に優しい絵画世界を選択した結果、精神を病むような示唆がされていました。
マエルのような選択を図らずもしている人たちは少なくないのではないでしょうか?
現実世界から隔絶された世界(ネット、ゲームなど)こそが本物だと、居心地がいい世界だと思い依存してしまう。その世界にのめり込んでしまう。
開発はマエルを通して、地獄のように感じる現実世界との繋がりも大切であり、疎かにしてはいけないということをプレイヤーに問いかけているように感じました。
他の人の意見を見れてよかったです。ありがとうございます。
コメントありがとうございます!
ヴェルソルートをご覧いただけなかったとのことですが、私の記事がお役に立てて本当に嬉しく思います。
そしてマエルの選択についての深いご考察、とても心に響きました。
ご指摘の通り、“自分にとって心地よい世界”に没入してしまうことで、現実との繋がりが薄れてしまう危うさをマエルを通して伝えている…その見方に大きく共感しました。
私自身、この記事を書きながらも「この物語は自分たちの日常とどう繋がるのか?」と何度も考えさせられました。
こうしてご意見をいただけることで、作品への理解もより深まります。本当にありがとうございます。
またぜひ他の記事でも、ご意見を聞かせていただけたら嬉しいです!