サイレントヒル f(Silent Hill f)レビュー:和ホラーとサバイバルの新境地を体験した

アクション・RPG

あなたは今まで、日本の古い村を舞台にしたホラーゲームをプレイしたことはありますか?霧の町サイレントヒルが舞台だったシリーズに、ついに日本の山間部が登場しました。2025年9月25日に発売された『サイレントヒル f』は、シリーズ初となる和ホラーを実現した意欲作です。

実際にプレイしてみると、これまでのサイレントヒルとは全く違う恐怖と美しさが同居する世界に引き込まれました。今回は、和ホラーとサバイバルの新境地を切り開いた本作について、実体験を交えながら詳しくレビューしていきます。

『サイレントヒル f』の基本情報と制作体制

発売日・プラットフォーム・価格

✅ 発売日:2025年9月25日(予約特典で9月23日から早期アクセス可能)
✅ 対応機種:PC(Steam)/PlayStation®5/Xbox Series X|S
✅ 販売形式:パッケージ版・ダウンロード版両方に対応

豪華な制作スタッフ陣

本作の制作体制は非常に豪華です。開発は台湾のNeobards Entertainmentが担当し、パブリッシャーはKONAMIが務めています。

特に注目すべきは、以下のクリエイター陣の参加です:

✅ ストーリー原案:竜騎士07(Ryukishi07)- 『ひぐらしのなく頃に』で知られる和ホラーの巨匠
✅ キャラクターデザイン:kera
✅ 音楽:山岡晃 – 『サイレントヒル2』や『エンダーマグノリア』の作曲家

シリーズでの位置づけ

『サイレントヒル f』は、シリーズ初の日本が舞台となる作品です。ナンバリングタイトルではありませんが、サイレントヒルの世界観を共有するスピンオフ的な位置付けとなっています。

時系列的には1960年代後半に設定されており、シリーズおなじみの霧の工業都市ではなく、日本の山間の村で妖しい怪異と向き合うことになります。

ストーリーと世界観(ネタバレなし)

主人公・雛子の物語

物語の主人公は高校生の雛子です。彼女は長崎の片田舎にある村で暮らしており、かつての日本にあったような過度なまでの亭主関白、女性蔑視の家庭環境に苦しんでいます。それでも幼なじみや仲間たちと平凡な日常を送っていました。

しかし、村では赤い花のような胞子が蔓延し始めます。この胞子は人々を侵食して怪物に変える恐ろしいものでした。雛子と友人たちは惨劇の原因を探るため、村に伝わる儀式や神事の謎に挑むことになります。

美しくも恐ろしい日本の原風景

ゲームの舞台は、古き良き日本の情景で彩られています:

✅ 日本家屋の軋む畳や襖の音
✅ 風に揺れる田んぼの稲穂
✅ 古い木造校舎の廊下
✅ 地蔵や鳥居といった日本独特のモチーフ

実際にプレイしてみると、草木が揺れる音や畳が軋む音まで聞こえるほどリアルな表現に驚かされます。地蔵や鳥居などが不気味な存在感を放ち、美しさと恐怖が絶妙に混在した世界観を作り出しています。
昔の日本ってこんな感じだったのかーっと思うようなものがかなり多かったです。
映画でみる昔の日本を追体験しているかのようで、実際にはみていないけど妙な懐かしさすら感じる不思議さもありました。

人間ドラマが織りなす精神的恐怖

本作の特徴は、単なるモンスターとの戦いだけではない点です。偏見やしきたり、家族の愛憎といった人間ドラマが随所に盛り込まれており、ジワジワと精神を蝕むような恐怖を演出しています。

村人の手紙や日記を読むことで、彼らの悩みや苦悩が伝わってきます。プレイしていると、ホラー以上に重く切ない気持ちにさせられました。

ゲームシステム:サバイバルホラーの醍醐味

戦闘:スタミナ管理と回避の駆け引き

戦闘は三人称視点のサバイバルアクションです。雛子はスタミナを消費して武器攻撃や回避を行います。スタミナ切れになると動きが鈍ってしまうため、無闇に連打することはできません。

敵は素早かったり動きが独特だったりするので、以下の要素が重要になります:

✅ 敵の動きパターンの観察
✅ 攻撃と回避のタイミング調整
✅ スタミナの適切な管理

武器の耐久度とサバイバル要素

武器には耐久度があり、使い続けると壊れてしまいます。修理キットも消耗品なので、限られた資源をどう使うかが悩ましいポイントです。

回復アイテムも数が少なく、武器耐久や体力回復を節約しながら進むサバイバルホラーの緊張感が味わえます。

実際にプレイしていて感じたのは、各武器の振りの速さやリーチが異なることです。強力な武器を入手したときの安心感は半端ありません。恐ろしい場所に限って強い武器が手に入るため、常に「持っていて良かった」と胸を撫で下ろす瞬間があります。

奉納システム

本作では成長要素として、奉納というシステムが用意されています:

✅ 奉納アイテムを奉納する
✅ 使わなくなったor今は使わないアイテムを奉納する
✅ 奉納することでポイントがもらえる
✅ 溜まったポイントを使用して能力を上げたり、役立つアイテムをゲットできたりします

私は、あまりホラーゲームはバイオハザードくらいしかプレイしたことがないので、ホラーゲームでライフやスタミナなどを上げる成長要素があるなんて珍しいなと感じました。
奉納すればより快適にプレイできるので、ステージ上をくまなく探索する良い機会になるんです。
プレイ中に印象的だったのは、「古い洗濯機」「古びた電柱に貼られた独特なことを書いてある紙」「なぜか”塩”を強調する張り紙」古き良き日本家屋やそのデザイン、今ではあまり見なくなった畑の雰囲気、木造のかなり古い学校などをくまなく観察する楽しさを味わえました。
こう言った探索要素がなければ素通りして、気づくことはなかったであろう環境デザインを堪能できて、とても良いシステムだなっと思いました

成長要素:神社への奉納

成長要素として、村の神社に奉納することで最大HPやスタミナを上げることができます。奉納品を手に入れるためにはエリアを念入りに探索する必要があり、探索へのモチベーションを高める仕掛けになっています。

奉納品が限られているため、どのステータスを優先して上げるかも悩ましいポイントです。
お守りもゲットできたり、所持できる上限数を上げたりもできるので、選択肢が本当に広いです。

ボス戦の絶妙なバランス

ボスは異形の怪物や怨霊で、デザインの奇妙さに圧倒されます。行動パターンを覚えて回避し反撃するスタイルで、難しすぎず簡単すぎない絶妙なバランスを保っています。

実体験として、序盤のボスでスタミナ管理を失敗して苦戦しました。しかし、パターンを読みスタミナを温存してジャスト回避してカウンターを入れると有利に戦闘を進めることができ結果的に撃破でき、大きな達成感を得られました。敵が発する呻き声や動きも非常に不気味で、単なるバトル以上に神経を消耗する戦いでした。

演出・ホラー表現:和ホラーの新境地

恐怖と美しさが同居する世界観

本作の大きな特徴は「和ホラー」の表現です。霧に包まれた村の木々や赤い花の胞子が漂う田んぼなど、どこか儚く寂しげでありながら、同時に得体の知れない不気味さを放っています。

敵のデザインは奇妙で、人間だった頃の名残を感じさせる部位に巨大な花が咲いていたり、身体が捻じれて動き方が異常だったりと、見た目だけで恐怖を誘います。

一方で、遠目には美しくも見える花や蝶など自然のモチーフが盛り込まれており、恐怖と美しさが同居する独特の雰囲気に惹かれました。

西洋などのホラーでは強いインパクトのある視覚的なグロさと大きな音を突然出して、驚きと恐怖感を演出する傾向が多いですが、日本のホラーはまたそれとはまた別で異質な感じです。
静か、なぜか寂しいし、悲しい、なんか奇妙で、でもどこか美しさもある、精神的に働きかけるホラー要素を感じました。

没入感を高める音響設計

音響も素晴らしく、暗い廊下で物音がしただけで心臓が跳ねます。ヘッドホンでプレイすると小さな足音や物が落ちる音が鮮明に聞こえ、没入感が格段に上がります。何かくる!って思ったら自分の足音とか。
視覚的にも恐怖を演出してくれますが、聴覚的にもより恐怖を感じさせてくれますし、没入感がより増します。ぜひヘッドホンでのプレイをおすすめします。

他シリーズとの差別化

他シリーズや『バイオハザード』との違いとして、敵を倒す爽快感よりも心をザラつかせるような精神的恐怖が強い点が挙げられます。生々しいクリーチャーと戦うよりも、村人の裏の顔や差別、噂話などがジワジワ効いてきます。

『ENDER LILIES』や『ENDER MAGNOLIA』のように荒廃した美しい世界観に浸れる一方で、こちらは「美しいけれど心が救われない」ような切なさがあります。

実際にプレイして感じたリアルな体験

プレイしやすさ

✅ チュートリアルが丁寧で操作も複雑ではない
✅ 専門用語もほぼ無いので入りやすい
✅ 難易度変更も可能で、初心者から熟練者まで楽しめる
✅ 戦闘が非常にシンプルで直感的
✅ マップも見やすく、すぐにアクセスも可能
✅ 目的地や次の目的もすぐに分かる

安心・恐怖の繰り返し

手に入れた強力な武器を握ると安心する一方で、耐久度や回復アイテムの数を考えると常に不安がよぎります。この安心と恐怖の落差がホラーとして秀逸でした。

謎解きの緊張感

謎解きは簡単なものから難しいものまで多様で、解いている最中に敵が襲ってくるかもしれない恐怖と緊張感がスリルを生んでいました。

ストーリーの引き込み力

高校生ならではの恋模様がありながら、序盤から友人同士の会話に違和感があり、伏線が散りばめられています。

普通に会話しているのに「裏切り者」といった言葉が突然出てくるなど、「え?なんで?」「あなたは誰?」「この人形は何?」「人形のそばに書かれたメッセージは何?誰から?」「誰が真実を言っているの?誰を信用すべきなの?」「この精神世界はなんなの?」と謎が謎を呼ぶような仕掛けや伏線が序盤から沢山張り巡らせてきて、どのようにこれが回収されていくんだろうとワクワク感も出てきます。
そして彼女たちの関係性や村の風土に潜む毒を感じ、先が気になって仕方ありませんでした。

精神的なドロドロ感

村の人々が持つ偏見や嫉妬がリアルで、読んだ手紙や聞いた噂話に胸が締め付けられました。主人公の家庭環境の辛さも相まって、ただの怪物との戦いではない精神的ホラーが体験できます。

和ホラーの美しさ

古い日本家屋や田んぼ、木造校舎といった舞台がとてもリアルで、その中をヘッドホンで歩くとまるで自分がそこにいるかのように感じられました。怖さだけでなく、どこか懐かしく美しい感覚が同居していて、とても新鮮でした。

サバイバル要素の緊張感

✅ スタミナ管理のシビアさ:攻撃にも回避にもスタミナを使うため、無闇な連打が通用しない
✅ サバイバル感:武器の耐久度と少ない修理道具、限られた持ち物枠など、常に物資不足との闘い
✅ 探索の楽しさ:奉納品を見つけるために隅々まで探索すると、古い洗濯機や電柱、塩の盛り塩など昔の日本らしいアイテムを発見

このギリギリ感がホラーゲームの醍醐味だと思います。

SNSやレビューサイトの反応

公開直後、X(旧Twitter)やSteamレビューでは多くのポジティブな声が寄せられています:

✅ 「和ホラーの美しさと怖さが融合している
✅ 「探索が楽しく没入感が高い」
✅ 「精神的にくる怖さがたまらない」

海外レビューサイトも「サイレントヒル f はシリーズの新しい方向性を示す意欲作」と評価しています。

特に印象的なのは、恋愛描写や青春の軽やかさと、後半の苛烈な展開とのギャップです。「最初は恋愛映画かと思ったのに最後は心を抉られた」との感想が目立ちました。

和風の村や神事が新鮮だという海外プレイヤーの声も多く、シリーズのファンからは「サイレントヒルシリーズの原点である静かな恐怖を思い出させてくれた」と高評価を得ています。

総括:『サイレントヒル f』の3つのポイント

1. プレイしやすさ

✅ チュートリアルやUIが丁寧
✅ 謎解きの難易度も幅広く設定
✅ 難易度変更ができるのでホラー初心者でも取っつきやすい

2. 和ホラーの独自性

✅ 霧の町ではなく山間の村を舞台にした新しいサイレントヒル
✅ 日本の美と闇を融合させた独特の世界観
✅ 精神的な怖さと美しさを両立させる秀逸な演出

3. サバイバルホラーとしての緊張感

✅ スタミナ管理、武器の耐久度、アイテム制限がもたらすギリギリの戦い
✅ アドレナリンを煽る緊張感
✅ 探索と奉納による成長要素で繰り返し遊びたくなる

まとめ:新境地を切り開いた意欲作

価格は大作ゲームと同程度でやや高めですが、和ホラーとサバイバルの新境地を体験できる価値は十分にあります。シリーズファンだけでなく、和風ホラーやサバイバルゲームが好きな人にもおすすめしたい作品です。

個人的には、恐怖だけでなく心の痛みや切なさまで味わえる作品に仕上がっていて、久々に「怖いけれどやって良かった」と心から思える一本でした。

『サイレントヒル f』は、シリーズの新しい可能性を示すと同時に、和ホラーというジャンルに新たな風を吹き込んだ意欲的な作品です。あなたも、日本の美しくも恐ろしい村で、雛子と共に謎に挑んでみませんか?

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