2024年3月28日にリリースされた『Khazan(カザン)』。
プレイしてまず感じたのは――
「これは、ただの“死にゲー”じゃない。」
圧倒的な爽快感と美しさが融合した、まったく新しいアクションゲームの形だ――。
緊張感のある駆け引き、スタイリッシュな演出、そしてプレイヤーの操作を最大限に活かせるシステム設計。
ただ難しいだけじゃない、“楽しい”と“熱くなる”を両立した作品に仕上がっていました。
本記事では、この『Khazan』の魅力と特徴を、アクションゲーム好き・死にゲー好きの目線から、
そして初心者にも伝わるように丁寧にまとめました。

ストーリー
反逆の濡れ衣を着せられ、過酷な拷問を受けた後にかろうじて生き長らえた大将軍カザンが、鬼神という悪魔的なものの力を借り、襲ってくる敵を倒しながら、自身を陥れた元凶を暴き復讐を目指す物語。
どちらかというとダークファンタジーのストーリー展開になってます。

プレイフィール
■ 「死にゲー」だけど、仁王寄りの設計
本作は、いわゆる“死にゲー”と呼ばれる高難度アクションジャンルに属します。
ただし、ソウルシリーズに近い重厚なアクションというよりは、『仁王』に近いテンポ感とバトルスタイルに感じました。
「敵の攻撃を見切り、カウンターを入れる」
「一撃の重さよりも、アクションの爽快感と読み合い」
――そうしたスタイリッシュな緊張感に満ちた戦闘が、今作の魅力です。
■ 3Dセルアニメ調 × 重厚な世界観の融合
グラフィック面でも、驚かされました。
リアルな背景美術に、セルアニメ調のキャラがシームレスに融合しており、ただのスタイリッシュでは終わらない“重厚なダークファンタジー”が描かれています。
キャラクターのモーションや演出にも細部までこだわりがあり、まるでアニメとリアルの世界を行き来しているような没入感があります。

このゲームの最大の魅力は?
『Khazan』というゲームが持つ最大の魅力のひとつは、「緊張感と爽快感を両立したアクションシステム」にあります。
とくに ジャストガード や ジャスト回避 を中心としたシステム設計は、単なる回避ゲーや防御ゲーとは一線を画しています。


爽快アクションの核「ジャストガード」「ジャスト回避」
この作品における戦闘の核心は、敵の攻撃に対するタイミング重視のリアクション操作 にあります。
敵の攻撃に合わせて正確なタイミングでガードや回避を行うことで、通常であれば大きく消費されるスタミナ(=このゲームでいう「気力」)を ほぼ消費せずに防御行動を成功させることができる のです。
これがどういう意味を持つかというと、
• 無駄なスタミナ消費を避けながら立ち回ることができる
• 攻撃のチャンスを広げやすくなる
• 成功すれば相手のスタミナを一方的に削ることができる
という、戦略的かつ爽快なアクションの連鎖が生まれる ということです。


「気力」と「スタミナ管理」システムが生む緊張感
このゲームでは、「気力(=スタミナ)」というゲージがすべてのアクションに関わってきます。
• 攻撃、ガード、回避…あらゆる行動に気力を消費
• 気力がゼロになると「脱力状態」になり、一定時間操作不能になり、この間は 被ダメージも大きく増加 してしまう
つまり、無闇に動けばすぐに気力が尽きて無防備にされてしまう。
このシステムが、プレイヤーに「メリハリのある立ち回り」を求め、より緊張感のある戦闘を生み出しています。
ジャストアクション成功で「相手の気力削り」が可能に!
プレイヤーがタイミング良く ジャストガード や ジャスト回避 を成功させると…
• 自身の気力は消費せずに行動が可能
• 相手の攻撃は空振り or 受け流される→そのぶん、敵側の気力ゲージが削れていく
という流れになり、相手を「脱力状態(スタン状態のようなもの)」へ追い込みやすくなります。
つまり…
うまく立ち回れば、ノーダメージ&スタミナ維持のまま、敵を一方的にダウンさせられる!
この点が、操作の腕前がそのまま成果として表れる 爽快感に直結しています。
多彩なアクション「リフレクション」や「カウンターアタック」
ジャスト系アクション以外にも、複数のアクションが存在します。
• リフレクション:敵の攻撃を弾き返して体勢を崩す
• カウンターアタック:特定タイミングでの反撃で大ダメージを与える
これらもすべて、タイミング・判断・緊張感といった「プレイヤーのスキル」が試される要素になっており、成功したときの爽快感は格別です。


「闘鬼化」=無双状態の爆発アクション!
さらにゲームを進めていくと解放される要素に「闘鬼化」があります。
これは戦闘中、一定の条件を満たすことで一時的に変身し、スタミナを気にせずに連続攻撃が可能になる状態。
イメージとしては「マリオのスーパースター状態」に近く、敵を一方的に叩き潰す爽快無双モードのようなイメージです。
高難度な戦闘の中で一気に流れを変えるキッカケにもなり、戦闘における“カタルシス”を最大限に味わえる設計です。
高度なテクニックで戦術の幅が広がる
戦闘中は単なる回避や防御だけでなく、以下のような要素を活用することで、より洗練されたプレイが可能になります:
• スキル使用による気力温存
• 攻撃を当てることでたまる「闘志」ゲージを活用
• ボスの攻撃パターンに応じたリアクション戦術
これらを組み合わせることで、「反射的な戦闘」ではなく「戦略と技術が融合したアクション」に昇華されていきます。
洗練された「武器」と「武器スキル」
本作『Khazan』で使用できる武器は、現時点で「大剣」「刀斧」「槍」の3種類。
それぞれが異なる戦闘スタイルを持ち、プレイヤーの好みに合わせて多彩なアクションを楽しむことができます。
まず「大剣」は一撃の重さが魅力の高火力武器。振りは大きく隙もあるが、その分ヒットしたときのダメージは圧倒的で、敵のスタミナを削る能力にも優れています。
次に「刀斧」は、リーチは短めだが連撃性能に優れ、攻撃モーションにほとんど無駄がない。手数で押したいタイプのプレイヤーに最適です。
そして「槍」はリーチの長さと連続突きによるプレッシャーが魅力。比較的技量を要するが、立ち回り次第では非常に強力な武器となります。
さらに、本作には「武器スキル」と呼ばれるシステムが存在しており、武器ごとにポイントを振り分けることでさまざまな強化アクションが追加されます。


たとえば、通常攻撃に追加ダメージが発生するスキルや、新たなコンボルートが開放されるスキルなど、スキル構成によっては「まるで別ゲームのようなアクション」に変貌するほどの変化があります。
実際に筆者も、武器スキルによって解放される強化アクションの爽快感に夢中になり、ジャストガードの存在を忘れてひたすら攻撃に転じた結果、あっさりやられてしまうという事態が何度も発生しました(笑)。
でもその「攻め時と守り時の判断」こそが、このゲームの醍醐味でもあり、戦闘の奥深さを感じさせてくれる部分でもあると思います
また、スキルポイントの振り直し(リセット)も可能となっており、一度試したビルドに縛られることなく、何度でも自由に構成を見直せる点も魅力。
武器の種類 × 武器スキルの組み合わせによって、プレイスタイルの幅は無限大に広がっていきます。


ステータス強化システムについて
本作『Khazan』では、プレイを進める中で、通常のスキルポイントとは別に「ラクリーマ」と呼ばれるリソースを獲得することができます。この「ラクリーマ」は、『エルデンリング』における「ルーン」や「ソウル」に相当する存在であり、これを消費することでキャラクターのステータスを強化することができます。
強化できるステータスは、以下の5つのパラメータに分かれています。
• 活力:最大HPと装備可能な重量に影響します。防御面に直結する重要な項目です。装備重量が重くなると機動性が落ちるため、バランスが求められます。
• 持久力:気力(スタミナ)の最大値や回復速度に関係し、継続的な戦闘能力に直結します。
• 筋力:物理攻撃力の上昇に寄与し、主に重量級の武器や装備の適正にも影響します。
• 意志:気力回復速度やガード時の気力ダメージ量ダウン、状態異常への耐性にも関わってくる可能性があります。
• 技量:リーチの長い武器や手数の多い武器と相性が良いステータスです。
これらのステータスをどう割り振るかによって、戦闘スタイルやキャラクターの得意分野が大きく変化していきます。


ファントムシステムによるさらなる成長要素
さらに本作には「ファントム」と呼ばれる独自の強化要素も存在します。これはいわゆる「スキルツリー」や「パッシブ強化」のような立ち位置で、ラクリーマによるステータス強化とは別に、能力の底上げが可能です。
ファントムの種類や成長方向によって、戦闘スタイルはさらに個性的な方向へと枝分かれし、プレイヤーの個性が明確に表れます。育成の幅は非常に広く、キャラクタービルドの自由度の高さがこのゲームの魅力の一つとなっています。
装備のカスタマイズ性も豊富
装備に関しては、次の3つのカテゴリに分かれています。
• 武器
• 防具(5部位)
• アクセサリー(2部位)
各装備には固有のステータスに加え、付与されるオプション効果や、セット装備によるセットボーナス効果が存在します。
特に防具やアクセサリーはランダム性が高く、ビルド構築における「厳選要素」も備えています。さらに、スキルを取得・育成することで、装備で強化されたパラメータをさらに底上げすることもでき、自分だけのスタイルを作り上げていく楽しさがあります。
このように『Khazan』では、ラクリーマを使ったステータス強化、ファントムによる成長、装備やスキルの組み合わせによって、無数のビルドを構築することが可能です。
プレイヤーのプレイスタイルに合わせて、攻撃特化、防御特化、回避主体、バランス型など、多彩な戦闘スタイルが実現できます。
ハクスラ要素について:多彩なビルド構築が可能な装備システム
『Khazan』の特徴の一つとして挙げられるのが、ハック&スラッシュ(ハクスラ)要素です。
この作品のハクスラは、例えば『エルデンリング』のように、敵がドロップする装備をコレクションする楽しみとは少し異なります。どちらかというと、ランダムで付与されるステータス強化値付きの装備を集めていくスタイルとなっており、運と構築力の両方が試されます。
具体的には、装備に「ランダムオプション」が付いていることがこのゲームの最大の魅力の一つです。同じ種類の武器や防具であっても、付加されるステータス効果は毎回異なるため、理想の組み合わせを探して何度も周回したくなる中毒性があります。
この点は、モンスターハンターシリーズの「装飾品厳選」に似た感覚を持っていただくとイメージしやすいかと思います。加えて、本作では装備一式を揃えることで発動するセット効果も存在し、より高い相乗効果を狙ったビルド構築が可能です。
また、装備だけでなく、スキルとの組み合わせもビルドの幅を広げる大きな要素となっています。例えば、ジャストガードやカウンターアクションに特化した装備構成や、闘志ゲージを活用した連続攻撃重視の構成など、プレイヤーの好みやプレイスタイルに応じた自由な構築が可能です。
こうした装備・スキルの組み合わせによって、
• 防御重視で鉄壁のプレイスタイルを貫くもよし、
• 一撃必殺の超火力ビルドで攻めまくるもよし、
• ジャスト回避・ジャストガードで相手の攻撃を捌きつつ、隙をついて連携技を駆使したテクニカルなスタイルを極めるもよし
まさに“自分だけの戦い方”を追求することができます
この装備システムとハクスラ要素によって、本作のリプレイ性は非常に高く、繰り返しプレイしたくなる中毒性を生み出しています。
初心者にも優しい!死にゲーに挑戦しやすい設計
『Khazan』は「死にゲー」としての側面を持ちながら、アクションゲームが苦手なプレイヤーでも楽しめる工夫が随所に施されています。
本作に興味はあるけど「難しそうで不安…」と購入をためらっている人にこそ伝えたい、優しさに満ちたシステムをいくつか紹介していきます!
難易度の設定が可能!
『Khazan』ではプレイヤー自身が難易度を設定できるようになっています。
これにより、「どうしても倒せないボスがいる…」という状況でも、イージーモードに切り替えることで比較的スムーズにゲームを進めることが可能です。
高難度アクションに自信がない方でも安心して挑戦できるのは大きな魅力です。
スキルポイントのリセットが自由
効率のいいスキルの割り振りを何の攻略サイトを見ることなく、振り分けることは極めて厳しいと思います。
しかしいつでも、スキルをリセット(代償無し)が可能なのでいくらでも好きなスキルを試すことが可能です。
「失敗してもやり直せる」安心感があるため、自由なビルド構築を思い切って楽しむことができます。
但しステータスの割り振りをリセットするには特定のアイテムが必要なのでそれだけは注意が必要です。

死んでも得られる「スキルポイント」の仕組み
筆者が個人的に最も感動したのがこの仕組みです。
本作では、敵に与えたダメージ量や、ジャストガード・回避の回数など、
戦闘中のプレイヤーの行動に応じて「スキルポイント」が獲得できます。
従来の死にゲーなどは、倒された時に相手の技やモーションを理解し、対処法を分析して、それを実践を繰り返すことで、自分自身が成長し、ボスを撃破することができます。
今作品では、自分自身の成長だけでなく、スキルポイントも獲得できます
あまりにも倒されすぎたとしても、その過程でスキルポイントが獲得できるため、損失感が少なく済むだけでなく、得たスキルポイントでスキルを強化し、ボスが倒しやすくなるということも期待できます。
つまり
プレイヤースキルが上達するだけでなく、キャラクターのスキル強化も進んでいくのです。
これによって、「負け続けても確実に前進できる」感覚が生まれ、
死にゲー特有の挫折感を和らげてくれます。
戦いながら成長できる、理にかなった設計が光るポイントです。
協力NPCの存在
さらにストーリーを進めていくと、「助力の魂」という協力NPCを呼び出せるようになります。
これは、**エルデンリングで言う“遺灰”**のような存在で、ソロプレイでの攻略が困難な場面で大いに助けになってくれます。
自分一人では厳しい局面でも、仲間が一緒に戦ってくれるというのは非常に心強く、
アクションが得意でない人にとっても安心してチャレンジできる要素となっています。
プレイヤーの挑戦を支える“配慮された死にゲー”
このように、『Khazan』は「死んで覚えるゲーム」でありながらも、
初心者やアクションが苦手なプレイヤーに向けた配慮がしっかりと詰め込まれています。
「ただ難しいだけのゲーム」ではなく、
「死んでも無駄じゃない」「やり直しが効く」「支援もある」という
前向きに楽しめる“死にゲー体験”を味わえるのが『Khazan』の大きな魅力です。
このゲームの魅力とは──プレイヤーとして実感した“爽快な駆け引き”と“中毒性”
今作の最大の魅力は、なんといっても 「攻めと守りの駆け引きがたまらなく楽しい」 という点に尽きます。
筆者は本作を “槍”をメイン武器としてプレイしましたが、連続攻撃がテンポよく決まっていくと、それだけでアドレナリンが出るほど爽快!
しかしその爽快さに酔いしれていると、ついつい防御を忘れてしまい、ボスの強烈なカウンターを食らってしまう。
この「快感」と「油断」のスリルあるバランスが、まさに中毒性を生んでいるのだと感じました。
さらに注目すべきは、ハクスラ(ハック&スラッシュ)要素の楽しさ。
装備の厳選やスキルの組み合わせによる“自分だけのビルド構築”はもちろん、
それを活かす戦闘での“スキル回し”の練習すら、ハクスラの延長線として楽しめる作りになっていて、
単調な“作業感”をほとんど感じさせない設計は見事の一言です。
また、スキルポイントの取得やスキル振り直しが柔軟にできるなど、
「何度でも挑戦できる楽しさ」が盛り込まれており、
いわゆる“死にゲー”にありがちな 「失敗の連続=ストレス」 という構図を、うまく壊してくれています。
このあたりは、開発者の“プレイヤー配慮”が詰まった絶妙なゲームデザインと感じました。
買うべき?
答えはYESです。
死にゲーというと、どうしても「難しい」「時間がかかる」「挫折しそう」といったネガティブなイメージを持たれがちですが、
この『Khazan』はその先入観を良い意味で裏切ってくれました。
「ただ難しいだけじゃない」
「やればやるほど成長が実感できる」
そんな 達成感と没入感のサイクルがしっかり用意されています。
だからこそ――
「これまで死にゲーを敬遠してきた人」
「アクションゲームに不安がある人」
そんな人にこそ、ぜひ一度触れてみてほしい作品です。
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