ドラッグストアでの抗原検査とPCR検査について

薬剤師の本音

ドラッグストアでのPCR検査と抗原検査についてお話します。

この記事を書いている今現在(2022年1月9日)でドラッグストアで行っているウイルスの検査キットについて、ドラッグストアで働く現役薬剤師ができるだけ分かりやすく書いてみました。

仕事場、薬局内、電話でよく聞かれる質問と現在の薬局での現状について赤裸々に書いていきます。

この記事をご覧になっている方で聞いてみたいことがきっと見つかるはずです。

Q & A方式で書いていきますので、見たい部分だけを見ていただければと思います。

Q1 PCR検査って簡単にいうと?

ウイルスを作っている遺伝子を機械を使って増やして、しっかりと検査するものです。

後に後述する抗原検査よりも、少ないウイルスの量で陽性か陰性が判定ができるので、精度が高いのです。

より正確であるってことです!

その分、検査に時間と手間がかかりるものです。

Q2 抗原検査ってなに?

そのウイルス(抗原)に対応した抗体というタンパク質があって、それを使って検査するものです。

この検査の良いところは、検査にかかる時間が早いことです。

おそらく薬局に来て15分以内で検査は完了できると思います。

もちろん、隔離したブースみたいなものが薬局内に設置されていると思いますが、そちらの混み具合や薬局の外来患者の混み具合も大きく関係しますが。

スムーズに行けば15分で済みます。

ただPCRに比べて、精度が落ちます。

採取した検体から、一定量以上のウイルスが検出できないと判定ができないんです。

そのため、採取した部分にたまたまウイルスの量が少なかった場合は、本当は陽性であっても、陰性になってしまう、つまり偽陰性になってしまう可能性もあります。

まぁ病院でのインフルエンザの検査みたいなものですね。

ただ薬局でやる場合は、鼻の中2㎝ほど綿棒を入れてくるくる回すだけなので痛くはないです。

皆さんのイメージにある鼻の中に細い管を奥まで入れてもらうものとは違いますので誤解なさらないでください。

Q3 検査(抗原検査、PCR検査)を薬局内ですると決めた場合、事前に持っていく必要のあるものはあるの?

ご自身の身分を証明するもの(保険証、自動車免許証、やマイナンバーカードなど)のみ。

PCR検査の場合は、携帯を使用するので、携帯は必須です。

あと、今検査される方が非常に多いので、来局する前に電話で予約を取っておくことをお勧めします。

ドラッグストアでは在庫は潤沢に用意をするようにしていますが、需要が多い場合は検査キットが一時的になくなってしまうことも多々あります。

私の配属されている店舗では在庫がなくなることが2度あり、検査ができない人が多数出ました。

その際は他店舗で在庫を店間移動という形で在庫を調整しましたが、店舗によってはという感じです。

また、薬局内のスペースによっては、隔離エリアが1人分しか確保できないところもあります。

その場合、使用中の方がいた場合は、その方が終わってからという形になるので、場合によっては時間がかかります。

事前に予約ができれば、在庫と検査の時間を確保できますので、スムーズに行えると思います。

ただ店舗によっては予約ができない場合もありますので、その場合は運が絡みます。事前に状況だけ確認しておいた方が良いですね。

Q4 検査するのに予約は絶対に必要?

絶対に必要というわけではないですが、需要が多い現在の状況下では予約することが無難と言えるかもしれません。

ただ店舗によっては当日の予約のみで、日をまたがる予約はダメな店舗もあります。

店舗によっては予約者のみのご案内もあるかもしれませんね。

電話で済むことなので、確認は必要だと思います

Q5 検査にはどれくらいの時間かかるものなの?

PCR検査の場合は、薬局に来てから同意書を記載してもらい、携帯でご自身の情報を登録してもらうことになります。

PCR検査の結果はメールで通知がいくことになるので、メールアドレスの登録は必要です。

団体コードと団体記号というものは薬局で伝えられますので、そのコードを入力していただくことになります。

その登録が終了後、検査キットが渡されると思うので、そこに入った書面にあるQRコードを携帯で読み込んでもらい、動画が流れるので、それを見ながら、ご自身で最初から最後までやっていただくことになります。

検体の採取などはこちらでは介入できないことになっています。

この流れから携帯の操作に慣れていない方は時間がかかると思います。

私の店舗でも、携帯の操作に慣れていない高齢者の方は非常に時間がかかっていました。最高で70分ほどかかっておられました。

携帯の操作の早い方であれば30分以内には終えることが可能です。

抗原検査の場合は、薬局内の混雑具合にもよりますが、15〜20分ほどで検査を実施し、結果が出るのが15~30分後です。

検査自体は非常に簡単で、人によっての大きな差はなく短時間で終えられる印象です。

その結果が出るまでは、店内を自由に回っていただいても大丈夫です。適当に時間を潰しててOK。

Q6検査結果が出るのにどれくらい時間かかる?

抗原検査は検体を採取後15~30分後

PCR検査は、検体採取後の翌々日かそれ以降。

検体を取ってから、薬局がそれを郵便局に送り、検査機関へ発送というプロセスを踏むので、郵便局の窓口が空いていない時間帯に検査しても当日には送れません。

また検査機関に検体が到着後、結果が出るまでに1日はかかるので、ある程度は時間はかかります。

結果が出たら直ちに、登録の際に入力していただいたメールアドレス結果が通達されます。

ちなみに、その結果は薬局にもデータとして入ってきます。

Q7 陰性の証明書の有効期間はどれくらいですか?

抗原検査の場合は、採取した当日+1日

PCR検査の場合は、採取した当日+3日

PCR検査の場合は、採取していただいたものを、薬局の方で郵便局に送るので、当日中に郵便局窓口に出せれば、結果が翌々日には出ます。

検査が平日16時以降、土日などの場合は、その日に郵便局窓口に出せない場合があるので、その分だけ遅れます。

なので、なるべく平日の早い時間帯で検査することおすすめします。

Q8 検査前に飲食はいいの?

抗原検査は飲食は関係ないです。

PCR検査に関しては、唾液(つば)を採取することになるので、検査30分以内の飲食・歯磨きはしていない必要があります。

Q9 年齢の制限はありますか?

ありません がご自身でやっていただくことになるので、小さいお子様の場合は親御さんをはじめとしたご家族の方に実施していただくことになります。

実際、2人の小さいお子様を連れたお母様がご来局されましたが、お子様もじっとしていられないし、もう一方で泣き出してしまう子もいてと、とても大変そうでした。

薬局も普通の外来の業務をしながらでのご案内であるため、つきっきりでお世話をすることは、まず難しいのが現状です。

Q10 費用はかかりますか?

県や市によって異なります。

今現在(2022年1月9日)、神奈川県では

PCR検査、抗原検査は両方とも無料です。

ただ、抗原検査を家に持ち帰ってやりたい、ご自身のやりたいタイミング(使用期限はありますが)で検査したいなど、薬局内で即座にやらない場合はお金がかかります。

おおよそ1600円前後です。店によって変わってくることもあると思います。確認が必要です。

PCR検査は例外なく、薬局内で行っていただきますので、持ち帰りはできません。そのため無料。

無料ではない場合は

PCR検査は8000円前後

抗原検査は3900円前後

と考えて良いと思います。

Q11 妊婦でも大丈夫ですか?

大丈夫です。

Q12 検査って痛いの?

痛くないです。

PCR検査は唾液(つば)を採るだけ。

抗原検査は綿棒の先端の綿球を鼻の中の2㎝ほどのところで15秒前後くるくる回すだけ。これを両鼻にします。

ただ鼻水が出たり、くしゃみを連発される方もいます。

薬局内の隔離スペース付近に、ティッシュが設置されているはずなので、そちらを利用して対処しましょう。

Q13 陰性証明はお金かかるの?

かかりません。(2022年1月9日現在)。

Q14 検査を受けてはいけない人・受けられない人ってどんな人?

発熱がある方

咳や鼻水など、何らかの感染症による症状がある方

です。

薬局内で行う抗原検査やPCR検査は、陰性であろう方が陰性であることを証明する目的として実施するものなので、すでに何らかの症状が生じている場合は検査は受けられません。

実際に私の配属されている店舗に「喉が痛むので心配で検査しにきた」という方がいらっしゃいました。

残念ながらお断りをし病院の受診を勧めました。

Q15 ワクチンをしていなくても、検査は受けられる?

受けられます。

私が新年、初めてご案内した方は一度もワクチンの接種をされていない20歳代の方でした。

Q16 抗原検査を購入したい。その場合は本人じゃなくても良いの?

私の勤めている会社では、検査する本人と、その同居されている家族にのみ購入が可能ということになっています。

以前、「イベントを開催したいので100個以上購入したい」という方がいらっしゃいました。

本人ではないので、購入はできないのでお断りさせてもらいました。

また「うちの会社員に使う分をまとめて購入したい」という方もいらっしゃいました。

それも同じ理由で、かつ会社単位での取引もできないので、現段階では売れませんと返答しました。

Q17 普段から薬を飲んでいるのですが、それでも大丈夫ですか?

服用されているお薬で検査に影響するものはありませんので、普通に受けて大丈夫です。

Q18 PCR検査と抗原検査はどっちがおすすめですか?

「検査のことはわかったけど、薬剤師からみて、どっちがおすすめですか?」と聞かれることは多々あります。

本来であれば、PCR検査の方が精度が高いので、そちらをおすすめしたいところですが、薬局内で行う検査に関しては「陰性であろう方が陰性であることを証明するもの」という位置付けなので、多少の精度の差はあるものの短時間で簡単に検査の可能な抗原検査の方がおすすめであると思います。

見解の差は人によってあるとは思うので、正解ではないですが私個人の意見としてはです。

Q19 検査をしたいのですが、迷惑かかりますか?

とても配慮してくださる方は有り難いことに沢山いらっしゃるのですが、現状の薬局内はかなり忙しいのが現状です。

勤務する薬剤師の時間帯と配置(シフト)というのは事前に前もって決められており、よっぽどのことがない限りは大きな変更はしませんが、多くのドラッグストアの薬局では

外来の患者さん(処方箋を病院からもらい、薬局にそれを持参される方)に対応できるギリギリの人数配置なので、そこに検査の無料化の話で検査についての問い合わせと、実際に来られて実施される方への対応という仕事量が積み重なるため、かなり忙しく自分で手一杯の状況が続き、配慮が足りずクレームにつながるケースも増えてきています。

働く職員は一生懸命に仕事をミスなく迅速に行うために頑張っている者ばかりです。

お待たせすることも店舗によっては多々あると思いますが、医療関係者は皆頑張っておりますので、その点だけは頭の片隅にでも入れていただくと嬉しいです。

Q20 親子でPCR検査を受ける場合、メールアドレスが一つしかない場合はどうすれば良い?

Gメールなどのフリーメールアドレスでも登録可能です。

まとめ

どちらの検査もメリットとデメリットがありますので、正しい情報を得た上でのご自身の判断で決めていただければなと思います。

場所によっては検査が無料になった地域もあると思いますが、無料ということで散歩がてらに検査にかかる方も少なくありません。

そのため需要が大きいのですが、それに対応できるだけの薬局内の体制であるかは、場所によって大きく差が出てきます。

私の配属されている店舗は外来だけでも手一杯の状況なので、いつでも検査に対応できる状況かは疑わしく、対応できる時間帯が限られているのも現状です。

検査をされる際は、事前に連絡をした上で来局されることをおすすめします。

刻々と事態は変わっていき、質問の内容も変わってくるとは思いますので、こちらの記事は随時更新していきます。

また気が向いたら、こちらの記事をチェックしてみてください。

もちろんご質問も受けてけておりますので、メールでご連絡いただければと思います。

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