犬のペットロスになったら(克服・治療)

薬剤師の本音
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何年もの間、生活を共にした家族を失うことはとても辛いことです。

克服するまでの時間は人によって様々なようでして数日間〜数年に至るまで、そして程度も人によって大きく異なり、うつ病などに到ってしまうケースもあるようです。

私も、今から3年前になりますが、3月7日午前6時14分に最愛のワンチャンと永遠のお別れをしました。

私の人生の中で間違いなく一番涙を流した日ですね。

こういう日がいつかきっと来る。

その事実は、家に迎えたころから、分かっていたことで、生前一緒に生活していても、頭のどこかで考えては不安になって、「長生きしてね。」と話しかけていたものでした。

非常に辛いものです。

ペットロスで辛い日を過ごし、中には生活に大きく支障がきたしている方もいらっしゃると思います。

また、獣医さんの診断において、先が長くないということが分かった方で、どのように心の準備をすれば良いのだろう、そうなった場合はどうすればいいのだろうと悩む方をいらっしゃるのではないかと思います。

実際、筆者はペットロスを経験し非常に辛い経験をしましたし、どのように受け入れていけば良いのか分からず、克服する方法を色々調べ、実践してきた経験があります。

今では無事に受け入れることができ、日常の生活を過ごしていますし、家族と笑顔で「こんなことあって、大変だったね」「この時、すごく可愛かったね」振り返ることもできるようになりました。

ここでは実際にやってみたことをご紹介していきたいと思います

以下の10点にまとめました

1.おもちゃやお皿などを整理ししましょう

2.携帯やカメラで撮影した写真を現像しアルバムを作りましょう

3.自分の好きな曲や映画を観て、メンタルを労ってあげましょう(慰めてくれる作品)

4.友人や家族に話し相手になってもらおう

5.趣味に没頭してみる

6.家に閉じこもらない。家を出て運動をする

7.お葬式をする

8.規則正しい生活をする

9.泣きたい時は思い切り泣く

10.新しくまた家族を迎えてあげる

では、具体的にみていきましょう。

おもちゃやお皿の整理

いつまでも、使っていたお皿などがあると、「嬉しそうに、尻尾ふりふりさせながら、パクパク食べていたな」と思い出すケースが多くなりますので、「もういないんだなぁ」って寂しさが急にやってきます。

ただでさえ、家の中は生きていた証が何かしら残っているものなので、さらに悲しい気持ちを想起させてしまうのも事実でした。

なので私は、涙を流しながら、その思い出を振り返りつつ、棚の引き出しに全てしまいました。

これで辛い気持ちを減らすことは難しいですけど、更なる寂しさや悲しみに直面するケースは減るので、悪化は防げるのかなと思います。

アルバムを作る

家族として共に過ごしてきた思い出を形に残すのは素敵なことですし、時系列に記憶を整理することは大切です。

そしてその写真に文字を入れてあげてください。たとえば、「〜年ハロウィンで魔女コス!」とか、またその時の彼ら(ペットちゃん)へのメッセージでもいいです。

気持ちという形にはないものを言葉にして表現して記してみてください。

自分の正直な思いを書き記して、視覚的に捉えることで、気持ちが落ち着いてくるケースがあります。

私は、普段メンタルで悩む患者さんを相手にお話するケースは多いのですが、そのような方にも同じことをお伝えしています。

私は、実践することで少しは気持ちが楽になりました。

音楽を聴いたり、映画を観たりする

家の中での静寂な空間は私には辛かったので、音楽を聴くようにしていました。

別れを悲しむしみじみと聞こえるバラードや、元気づけてくれる癒しの音楽、悲しみなんて吹っ飛ばせと背中をハードに押してくれるアップテンポな音楽まで色々な音楽があります。

中には自分の気持ちを代弁してくれてるようなものもあるでしょう。

必ず今の自分を応援して、慰めて、癒してくれる音楽は存在します!

映画もまた同様です。悲しいはずなのに、その気持ちを一時的にでも忘れさせてくれて、笑わせてくれるコミカルな映画も沢山あります。

悲しみや苦境を乗り越えて前に進んでいく!という映画もありますので、そういった作品を観て感じることは大きな処方箋なのかなと思います。

そういった作品のおすすめを、別の記事でも紹介していきたいと思いますので、是非そちらもご覧になっていただければと思います。

友人や家族に話し相手になってもらう

これは非常に大きいですね。

悲しみや寂しさ、後悔を言葉に出して、それを相手に聞いてもらえるだけでもとても気持ちは楽になります。

私も友人に話を聞いてもらいました。泣きながら、鼻水をベロベロ垂らしつつ話す姿はとても滑稽だったと思います。

でも友人は必ず、真剣に真正面で受け止めてくれます。

気持ちを共有してくれることで、どれだけ楽になるか。なって初めて実感しました。

家族も同様だと思います。

相談できるお相手がいなければ、どうぞ私に、メールをいただければと思います。私が何かを解決してあげられることはないかもしれないですが、お話相手になることはできますので。

趣味に没頭する

何も考えずに、ただ目の前のものに夢中になれる趣味は心も身体も癒されます。

そして色々なことにもチャレンジしても良いのではないかと思います。

新しいことに挑戦するのは、普段なかなか踏み出せないことが多いですが、気持ちを切り替える上で新しい考えや運動はとてもリフレッシュすることに有効です。

この機会に是非チャレンジし、新たな自分を見つけてみてください。良いきっかけになるのではないかと思います。

私は、映画鑑賞が普段好きなのでとにかく色々なジャンルを見ました!

普段見ないジャンル(恋愛ものやサスペンス)のものも観るようにしました。

新たな発見があって楽しかったですし、その作品中でそれぞれの人の考え方の多様性とか、世界観が広がり、視野も大きく広がった気がします。そういう考え方もあるんだ〜とか!関心したりもしました。

そうやって物事の考え方の幅が広がると、実は仕事にも少し活きてきたりも!

自分の夢中になれることを沢山して自分の心身を労ってあげたり、新たなことにチャレンジし新たな自分を見つけて前向きに考えるようになれば、次なる一歩を踏み出せる一因になるかもしれませんよ!私はそれを実感できた一人だと思います。

家に閉じこもらない

とても大事です。家に閉じこもっていると、考えや視野もどんどん狭くなっていきます。

休みの日は家を出たくない気持ちは、とてもわかります。私もそうでした。

ただ、陽を浴びて体を動かすことで心身共に健やかになれます。

外出後に帰ってくると外出前よりテンションは高いですよね?そうやって体にとっての良い治療に知らぬ間になっているんです(交感神経が優位に働いていることもあるのですが)。

精神科のDrも同様のアドバイスをするとおっしゃっていました。

外に出て、欲張りなくらいに陽を浴びて、欲張りなくらい多く空気を吸い込んできてください。

そしてジョギングでも良いので運動をして汗をかいて、心の中の悲しい気持ちや寂しい気持ち、罪悪感・後悔も汗と一緒に出してしまいましょう!

お葬式をする

別れの儀式です。最後のお別れなので、きっと今後自分がどれだけ長く生きても忘れることのないセレモニーです。

後悔はしたくないので、しっかりとお別れをしてあげてください。

私は、亡くなる直前(ほんの数時間前)までお世話になっていた獣医さんに亡くなった事実をお伝えし、獣医さんのところまで連れていきました。

死化粧というんですかね?とても綺麗に整えてくださりました。

そして葬式をする際の近場での会場も教えてもらえますので、そちらでお葬式をしました。

大好きだったオヤツやおもちゃ、タオルを棺に入れメチャクチャ泣きながらサヨナラしました。「ありがとう。ロイくん。大好きだった。これからもずっと」「ちょっと先で待っててね、そのうち行くから」と伝えましたね。

生前、いつも私のことを待っているような子だったんです。お風呂やトイレに行く際もついてきて、私が出てくるまでずっと待っていてくれる子だったので、今回も私を待っていてくれると考えることで少し気持ちが楽になりました。

あの光景、あの表情は決して忘れませんし、3年経った今でも鮮明に記憶に刻まれています。

今でもお葬式はやって良かったと心から思っています。

規則正しい生活を!

どうしても、心の傷を負ってしまうなど強いストレスがかかると、自律神経に影響を与え生活のサイクルは崩れやすくなります。

自律神経の不調による影響は人によって様々で睡眠に悪影響を与え不眠につながることもありますし、食欲など消化管に影響を与えれば食生活も乱れます。

このリズムが崩れてしまうと立て直しにも時間はかかりますし、仕事や勉強、学校生活、人間関係などに影響が広がっていく可能性も出てきます。

そういった患者さんを何人も見てきました。

よく寝て、3食の食生活、体や脳を動かす(仕事や勉強、運動など)。この3つの当たり前のことこそがとても大事です。

逆に言えば、この3つのどこかに支障があれば、そこを立て直す手段を考えればいいのです!

私は睡眠に影響がありましたので、思い切り身体が疲れれば、何も考えずともあっという間に寝てしまうだろうという単純な解決法でなんとか乗り越えていました。

思い切り泣く

悲しい時は泣いた方が良いとよく言われることですが、その通りだと思います。

涙と一緒に辛い気持ちを身体から出してみましょう。

泣いて、泣いて、枯れるまで泣くくらいが丁度良いと思います。

我慢する必要はないんです。

悲しみで涙を流せる生物は人間だけです。これだけ地球上には生物がいるというのに人間にしか備わっていないメカニズムなんです。

意味のないシステムなんてものはないので、泣くというものは自然な行動であり、後悔とか罪悪感という心の膿までも洗い流すためにあるものだと私は思っています。

新しく家族(ペット)を迎えてあげる

これは人によって捉え方は違うと思いますので、参考程度にして欲しいです。

人によって、「罪悪感があって無理」「思い出してしまうし、知らぬ間に比較してしまうかもしれない」「こんな別れの辛さをもう二度と経験したくない」とおっしゃる方も大勢いらっしゃると思います。

私も初めはそうでした。

でも亡くなってしまって、感じた罪悪感は皆さんも少なからずあると思いますが、そんな後悔をしないようにもう一度精一杯の愛で、新しく迎える子を同じように接してあげることで、亡くなった子、これから家族になる子、そして自分自身が幸せになれるのではないかと思いました。

新しく迎えると、実際にはトイレでおしっこのトレーニングだったり、あちこち歩いてしまう散歩だったり、イタズラしたり、トイレじゃないところでした糞の処理をしたりと忙しいですし、楽しいですし、先代の子の思い出とシンクロするシーンがあって嬉しくなったりして、なんだかんだで家族全員を救ってくれました。

ただこれは捉え方次第ですので、見てくださる方全員にお勧めはできることではありません。

悲しみの先延ばしかもしれませんが、最後の別れまでの、かけがえのない、代わりのきかない素晴らしく楽しく嬉しい思い出はプライスレスです。

人もいずれ死にます。そしてそれまでの時間は人によって長さは違います。

予期せぬ余生の長さに悲観して人生を終える方も数多くいらっしゃることを私は仕事柄知っています。

だからこそ、限られた人生であればこそ、充実した時間を過ごしプライスレスな思い出を築いていくことは何事もにも変えられない要素なのかなと私は思います。

まとめ

1〜10まで沢山ありますが、このどれか一部でも良いので、参考にしてくださると嬉しいです。

そしてそれが貴方の辛い気持ちを少しでも軽くできたなら嬉しいです。

ペットロスの程度は人によって異なり、治るまでの期間は様々で長い方であれば年単位でしょうし、短い方で数週間の方もいらっしゃるでしょう。

治療法は一つではなく、人の数だけ存在するものだと思っています。

参考になったものから、実際に行動に移してみてください。何かを変えないと今は変わることはないのも現実です。

さぁ一緒にもう一度立ち上がりましょう!

ここまで読んでくださった方なら、きっと両手には収まらないほどの溢れる愛情をかけておられたんだなとすぐに分かります。

楽しかった思い出、別れの辛さ、命の大切さ、その全てを教えてくれた!それが最後のペットちゃんのプレゼントだと思います。

そのプレゼントを大事に大切にしまって、それを胸にまた前に進んでください!

長文を読んでくださりありがとうございました。

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